宝塚歌劇のエリザベートの黄泉の帝王トートってなにですか
宝塚歌劇のエリザベートのビデオを見ました
素敵ですが、わたしアホだから
筋がわかりません
黄泉の帝王トートってなにですか
エリザベートの敵のような、ストーカーのような行動をしたりします
しかし、最後エリザベートとの純愛のように終わります
なぜですか
夫の国王よりひどいと思いますが
よろしくお願いします
物語や時代背景などが複雑なので、一度で理解するのは難しいと思います。
黄泉の帝王トートは一言で言うと人の死を司る死神です。
ただ「トート」というのは固有名詞ではなく向こうの言葉(ウィーンだからドイツ語かな?)で「死」を表す言葉だというのを聞いたことがあります。
だから私は、トートとは「死」が具現化したもので、エリザベートは生涯通じて「死」に付き纏われ、波乱と不幸に満ちた人生だったというふうに解釈しました(もしくは「死」を前提とした運命そのもの、トートは劇中、一個人や一国の滅びの運命を操るような、そんなシーンもありましたよね)
そして「死」を望む、という事は「死」すなわちトートそのものを愛する事という事だと思います。
粗筋としては。
トートは少女時代に事故で死ぬ筈だったエリザベートに恋をしてその時は命を助け、今度は自分から「死」を望むように仕向ける為、生涯彼女に付き纏うようになる。
一方エリザベートはオーストリア皇帝と結婚するものの、皇太后との不仲や皇后としての義務、宮廷の厳しいしきたり等に馴染めず次第に孤独を深めていく。更に当時のオーストリアをめぐる不安定な情勢、トートはそれらを上手く誘導し、付け込み、そうやってエリザベートを追い詰める事により彼女が生きる事に疲れ果て「死」を望む様に仕向ける。
トートの誘惑を付き放ち続けてきたエリザベートだったが、息子ルドルフの死から「死」を望み始めるようになり、トートが差し向けたルキーニによって暗殺されてしまうが、それこそが彼女が待ち続けた「死」であり、トートを受け入れた瞬間だった。
夫よりも酷い行動というのは仕方ないでしょうね。トートは「人間」ではなく「死」なのですから。
「黄泉の帝王トート」は、死神です。
少女エリザベートが木が落ちて、死の淵を彷徨います。
命を奪うはずの死神のトートが、エリザベートに恋し、生き返らせてしまいます。
エリザベートはフランツと結婚しますが、幸せな結婚生活をおくることができません。
エリザベートは、自分の居場所、安らげる所を探し続けるのです。
トートがエリザベートの前に現れるのは、エリザベートへの恋心からで、
命を奪ってしまえば、自分のものにはなるけれど、
一方的に片思いではなく、トートの方へ気持ちが向いてくれるまで、エリザベートを待ちます。
簡単に言えば、両思いになりたかったのです。
エリザベートは、息子ルドルフが自殺したことにより、心の支えをなくし、彷徨い続け、
自ら死を考えるようになります。(心情で)
トートは、エリザベートに死への使い(殺人者ルキーニ)を送ります。
ルキーニによって殺されたエリザベートは、やっと自分の場所、安らげる所へ行けるのです。
それが、死を愛する、トートだったのです。
私は、エリザベートが作品として大好きです。
宝塚に限らず、東宝版、ウィーン版を何度も観ました。
一度観ただけでは、設定が難しいかもしれませんが、
何度も観ていると、トートやエリザベートの想いが少しずつわかってきます。
ちなみにエリザベートは、宝塚が製作した作品ではありません。
'92年、オーストリアのウィーンが初演です。ドイツのミュージカルです。
確か死神の設定になっていたと思います。冥府の帝王つまり死神の親玉です。
簡単にストーリーを紹介すると19世紀末にオーストリー・ハンガリー帝国の王妃エリザベートは少
女の頃一度死にかけて、一目ぼれしたトートに生き返させられます。それから、死神の親玉がストー
カーになってずっと追いかけるというお話です。といえば大方のタカラズカファンのブーイングをくらうな
まあそんな話です。あなたがあほやからではおまへん、大体ややこしいお話です。
エリザベートの生みの親は確かにウイーンですが、タカラズカのエリザベートは小池修一郎が脇役
であった、トートを主人公に書き換えて「男役」の魅力を前面に押し出した独特のものです。この演
出が本場のウイーン版にも影響を与えています。細かいことですみませんが、ドイツ語のミュージカル
であることは確かですが果たしてドイツのといってよいか。脚本家はチェコのプラハ生まれ、作曲家は
ハンガリー人です。いずれも東欧の人です。ドイツ語圏のミュージカルですがドイツには殆どオリジナル
のミュージカルの伝統はありません。オペラはありますが。
また最も重要なことは、作家と作曲家が二人とも東ヨーロッパの人間だから成立しえた物語です
歴史上の事実はオーストリーとハンガリーの2重帝国がもたらした悲劇です。エリザベートの夫のヨー
ゼフはオーストリー帝国の最後の皇帝です。次の皇太子はセルビア人に暗殺され、これがきっかけで
第一次大戦は始まります。バルカンは火薬庫と呼ばれるぐらい戦争が続きます。最近もボスニアヘル
ツエゴビナの戦火が止んだばかりです。ドイツは常に大国としてオーストリーなどを占領支配して来た
国です。占領支配する国から、支配される側の小国の悲劇は描けるものではありません。その悲劇
を優れて、エンターティメントにし得たのは小国出身の東欧人だからだと考えます。
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