2012年5月6日日曜日

宝塚歌劇のエリザベートの黄泉の帝王トートってなにですか

宝塚歌劇のエリザベートの黄泉の帝王トートってなにですか

宝塚歌劇のエリザベートのビデオを見ました

素敵ですが、わたしアホだから

筋がわかりません



黄泉の帝王トートってなにですか

エリザベートの敵のような、ストーカーのような行動をしたりします

しかし、最後エリザベートとの純愛のように終わります

なぜですか

夫の国王よりひどいと思いますが

よろしくお願いします







物語や時代背景などが複雑なので、一度で理解するのは難しいと思います。



黄泉の帝王トートは一言で言うと人の死を司る死神です。

ただ「トート」というのは固有名詞ではなく向こうの言葉(ウィーンだからドイツ語かな?)で「死」を表す言葉だというのを聞いたことがあります。

だから私は、トートとは「死」が具現化したもので、エリザベートは生涯通じて「死」に付き纏われ、波乱と不幸に満ちた人生だったというふうに解釈しました(もしくは「死」を前提とした運命そのもの、トートは劇中、一個人や一国の滅びの運命を操るような、そんなシーンもありましたよね)

そして「死」を望む、という事は「死」すなわちトートそのものを愛する事という事だと思います。



粗筋としては。

トートは少女時代に事故で死ぬ筈だったエリザベートに恋をしてその時は命を助け、今度は自分から「死」を望むように仕向ける為、生涯彼女に付き纏うようになる。

一方エリザベートはオーストリア皇帝と結婚するものの、皇太后との不仲や皇后としての義務、宮廷の厳しいしきたり等に馴染めず次第に孤独を深めていく。更に当時のオーストリアをめぐる不安定な情勢、トートはそれらを上手く誘導し、付け込み、そうやってエリザベートを追い詰める事により彼女が生きる事に疲れ果て「死」を望む様に仕向ける。

トートの誘惑を付き放ち続けてきたエリザベートだったが、息子ルドルフの死から「死」を望み始めるようになり、トートが差し向けたルキーニによって暗殺されてしまうが、それこそが彼女が待ち続けた「死」であり、トートを受け入れた瞬間だった。



夫よりも酷い行動というのは仕方ないでしょうね。トートは「人間」ではなく「死」なのですから。








「黄泉の帝王トート」は、死神です。



少女エリザベートが木が落ちて、死の淵を彷徨います。

命を奪うはずの死神のトートが、エリザベートに恋し、生き返らせてしまいます。

エリザベートはフランツと結婚しますが、幸せな結婚生活をおくることができません。

エリザベートは、自分の居場所、安らげる所を探し続けるのです。



トートがエリザベートの前に現れるのは、エリザベートへの恋心からで、

命を奪ってしまえば、自分のものにはなるけれど、

一方的に片思いではなく、トートの方へ気持ちが向いてくれるまで、エリザベートを待ちます。

簡単に言えば、両思いになりたかったのです。



エリザベートは、息子ルドルフが自殺したことにより、心の支えをなくし、彷徨い続け、

自ら死を考えるようになります。(心情で)

トートは、エリザベートに死への使い(殺人者ルキーニ)を送ります。



ルキーニによって殺されたエリザベートは、やっと自分の場所、安らげる所へ行けるのです。

それが、死を愛する、トートだったのです。



私は、エリザベートが作品として大好きです。

宝塚に限らず、東宝版、ウィーン版を何度も観ました。

一度観ただけでは、設定が難しいかもしれませんが、

何度も観ていると、トートやエリザベートの想いが少しずつわかってきます。



ちなみにエリザベートは、宝塚が製作した作品ではありません。

'92年、オーストリアのウィーンが初演です。ドイツのミュージカルです。







確か死神の設定になっていたと思います。冥府の帝王つまり死神の親玉です。

 簡単にストーリーを紹介すると19世紀末にオーストリー・ハンガリー帝国の王妃エリザベートは少

女の頃一度死にかけて、一目ぼれしたトートに生き返させられます。それから、死神の親玉がストー

カーになってずっと追いかけるというお話です。といえば大方のタカラズカファンのブーイングをくらうな

まあそんな話です。あなたがあほやからではおまへん、大体ややこしいお話です。



 エリザベートの生みの親は確かにウイーンですが、タカラズカのエリザベートは小池修一郎が脇役

であった、トートを主人公に書き換えて「男役」の魅力を前面に押し出した独特のものです。この演

出が本場のウイーン版にも影響を与えています。細かいことですみませんが、ドイツ語のミュージカル

であることは確かですが果たしてドイツのといってよいか。脚本家はチェコのプラハ生まれ、作曲家は

ハンガリー人です。いずれも東欧の人です。ドイツ語圏のミュージカルですがドイツには殆どオリジナル

のミュージカルの伝統はありません。オペラはありますが。

 また最も重要なことは、作家と作曲家が二人とも東ヨーロッパの人間だから成立しえた物語です

歴史上の事実はオーストリーとハンガリーの2重帝国がもたらした悲劇です。エリザベートの夫のヨー

ゼフはオーストリー帝国の最後の皇帝です。次の皇太子はセルビア人に暗殺され、これがきっかけで

第一次大戦は始まります。バルカンは火薬庫と呼ばれるぐらい戦争が続きます。最近もボスニアヘル

ツエゴビナの戦火が止んだばかりです。ドイツは常に大国としてオーストリーなどを占領支配して来た

国です。占領支配する国から、支配される側の小国の悲劇は描けるものではありません。その悲劇

を優れて、エンターティメントにし得たのは小国出身の東欧人だからだと考えます。

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